生殖の向こう側

生殖の向こう側。

夫婦という形で、子どもを望む望まないという選択をして、望んだ場合には受胎し出産し、子育てをする。

子どもの数によってはその流れを何度か経験すると思う。

それが人の生活の中での生殖だ。

生活に差異はあるし、家庭の事情はそれぞれあるけれど、卵子や精子の健康の面を考慮したら、有為的な生殖年齢というものもあると思う。

しかし、その先、子どもを望まなくなったあとの夫婦生活ってどんなものなんだろう?

生活全般を営む夫婦生活と、隠語としての夫婦生活、両面で、これからは無性となるのか、生物学上の性別を生きるのか、など、色々と考えることがある。

ここでは、隠語として使われる、夜の夫婦生活について思うところを書いてみたい。

とても個人的かつ明け透けな意見がある。

妊娠を望まない夫婦生活は、気持ちがいい。

ただ男性側が避妊に関してちゃんと、リテラシーがある前提だ。

避妊したがらない男性というのは、論外として、しっかり避妊しているときには、純粋なコミュニケーションになる。と個人的には思う。

妊活の場合には、受胎が目的なので最後までしなければいけないし、逆に出したら任務完了になってしまう。

妊娠しやすい時期かどうかでナーバスになる場合もあるし、生理によってリセットが来たら落ち込むかもしれない。

さらに行為自体が挿入ありきの、単調な感じになるのもつまらない。

という、生殖にまつわる、繊細さを踏み越えて、そのゾーンにいないコミュニケーションとしての、夫婦生活は快適だ。

キスやハグやその他の行為の優先順位があがってくるし、挿入や排出が全てじゃなくなる。

ただこれは、いつまで続くものなのだろう?と時々思う。女性側の感覚としては、更年期を迎えて、卵子のバイオリズムがなくなったら、性欲が消えるのだろうか?

結婚前には距離が離れていたために、会う機会に制限がかかっているがゆえの燃えあがりもあった。結婚後も単身赴任期間もあり、その後は燃えることもあったな、と思う。

今は子どもが増えたこともありさらに時間的、物理的に制限がかかっていてるけれど、同時に体力が削られているために燃えあがるかどうかは別問題となっているかもしれない。

ただ、これ以上産まないという生殖の向こう側に足を踏み入れたことで、コミュニケーションとして夫婦生活を楽しんでいる。

生活においてお互いに優先順位が変動することによって、夫婦生活が自然消滅することもありうるけれど、レスになると私の浮気心が湧きそうなので、できる限り機会を設けたいと思っている現状だ。

適度に私をかわいがらないと、外に気持ちが行くかもとは、伝えてきている。

逆にどうしようもなくなったら、外でしていいよ、とも思っている。そしたら、お互い様で私も外でしちゃう、という打算もあるからだ。

浮気心は潜んでいて、ロマンスの気配をつい求めてしまう。

だからこそ創作をしたり、仕事をしたり、アーティストやタレント、アイドルをイマジナリー彼氏、彼女としたりして発散しているのだと思う。

これは人間の本質だと思っていて、人の欲は無くならないと思うから、エネルギーを転化するために仕事したり、運動したり、推し活したりするのだと思う。

愛と性欲は別物だ。ただ、今の私は夫に対して両方を持っている。

本質的には、愛する相手がいてもその人と性欲を満たさなくてもいい。という意見だ。

たまたま、条件が合えば、愛と性欲が両立し得るだけだと思う。

男性が感情がこもらなくても行為ができる、パートナーがいても自分でするという感覚が、私にもある。

ただ。私の場合には感情がこもっていた方が気持ちがいいし、自分でするのは簡易的なもので、人肌の気持ちよさには敵わないというのが、前提にある。

あとは、そう。数ある大人のアイテムは、まだまだ、温度や形状が物足りない。という課題もある。

夫婦生活に関しては、気持ちよくしてあげたい、という感覚もあるので、つい取材や聞き取りをしてしまう。

どういうのが気持ちいいの?溜めといた方が気持ちいいの?とか、後ろと前、どっちのが締まる?とか。声出した方がいい?とか。

人によってはおそらく萎えるようなことを色々と聞いてしまう。

萎えられてもいいし、萎えられても、最終的には気持ちよくしてあげるよ、とも思っている。

もちろん、気持ちよくしてもらうのも嬉しいけれど。

持っている器官が違うので、本当の意味での感覚は分かち合えないけれど、繋がっている感覚は愛おしい。

ただ、これ、いつまで続くんだろう?とやや他律的な思考がある。

どうするかどうかを自分だけでは決められない問題だ。

多分、お互いにコントロールしにくいホルモンが介在する部分だからだと思う。

ある日、すんっと、もうやめよ、家族のあり方を変えよう、となるかもしれない。

相手があるものだから、ある種諦めも必要だ。

もし、今後性欲を持て余しても、今のところお金を払ってプロにしてもらうサービスは使うつもりがなくて、逆にサービスする側でお金を作りたいな、と思う。

さらに性欲の飼い慣らしの一つとしてアダルトアイテムの開発したいなぁーと思うけれど、ただ思うだけだ。

挿入式のアイテムは挿入感だけは満たされるけれど、他の肉体の部分は満たされないから。課題は多い。

生殖の向こう側は、まだ未知だ。

実験と検証してしながら、取材していきたいと思っている。