創作に飽きている理由を分析する。
まず、ハギレのような物語は、毒にも薬にもならない。
ここ2年間ほどは並行して物語を書いている。
それ以前との違いは、公開することを念頭においている点だ。
並行していくつか作っていると、メインコンテンツとしての物語とそこから残ったハギレのような物語が生まれてしまう。
いわゆるハッピーエンドな話を書き続けると、バランスを取るために、世の中のヘイトを集めたような話を作りたくなる。
後者は、人気が出にくいし発散のために書いている部分もあるので、作者にとっても毒にも薬にもならない。
筋トレの要素が薄い作品はほとんど後者で、簡単に書けるけれど公開したとて伸びないし自分でもすぐに見切って非公開にしてしまう。
今年に入ってからはそんな作品が多い。
今年に入って5、6本完成させた中で、3本は非公開にしている。
創作に飽きているんだろうな、と感じている。
イケメン美女を描きたいわけではないし、恋愛ものなんて自分では読まない。
にも関わらず、マーケットがあるものを書こうとしている面もある。
一方で自分を縛っていたことによる弊害で自由な創作が阻害されていた感じもあるのだ。
現代恋愛ものを完結させなければと肩に力を入れすぎていて、本来好きなファンタジーを書く時間を減らしている。
ファンタジーの需要はあるし、自分自身も書くのは好きなのに、完結主義が邪魔していたのかもしれない。どんなものをしっかりとおしまいにしなければと、焦っていた。
自分のファジーな部分を許そうかなと思う。
これまで創作において、恋愛描写やラブシーンはプライベート経験の切り売りもあった。
言われたセリフや言ったセリフを切り取って、改変して使ったこともある。
現実を物語に入れ込むことで、この頃は自分のために妄想や想像を使ってなかったなと思う。
創作のためにつかってしまっていた。
もっと楽に創作しようかなと思う。
筋トレにならないハギレみたいな物語を見切るのも一つ手なのかもしれない。
二つ目に禁欲する必要がなくなり、物語への没入度が下がっている。という理由が考えられる。
妊娠中は身体的にも物理的にも色々な制約があり、さらに産後1年もその流れは続く。
そこから先の世界に足を踏み入れた今、禁欲の必要がない。
例えばリアルでラブタイムがない時には、性描写をすることで適度な刺激になる。生活に張りもでてくるかもしれない。
あるいはリアルで恋愛しているときに、恋愛小説なんて書きにくい。一つの恋愛が終わったあとじゃなければ書けない。
日常で動きが大きくなり、自分の身体をより使うようになると、恋愛もラブシーンも別に要らなくなる。
脳内で再現するのもただ疲れるようになってくるかもしれない。
リアルが動いていない時こそ、フィクションは楽しめるものだという持論がある。
重ね合わせるならば、恋愛やラブ行為などなど、あらゆる行為がレスの時こそ、創作は楽しいと思う。
今はリアルの比重が大きくなっている。
それを無視してやや無理しながら書いているので、楽しくないのかもしれない。
三つ目に、クライアントワークの時の感覚で、読者をお客様扱いしていたのも飽きてきた理由かなと思っている。
投稿したものを誰かが読んでくれるだけでよかった、ありがたいという時代もあった。
ただ、そもそも物語を読者のために書いた覚えはない。
書く人にとっての旨みは、書きあがるまでであって、出来あがったものは副産物だ。
そう私は思っている。
一方で読まれるためにマーケットを意識することもある。
この辺が矛盾しているのだ。
読者は関係ないと言いつつも、読まれるものを書こうとする。
なんだかおかしな構造だなと思う。
この微妙な構造を使いながら、マーケットのある要素と自分の好みのかけあわせが一番ウケると感覚は分かってきた。
ウケると分かると今度はブックマークやお気に入りを気にしだす。
1桁ブックマークで問題ないと思っていたのに、100を超えるものが出ると今度は、1桁はウケてないと感じるようになる。
レベル感は上がったのかもしれないけれど、読者=お客様という感覚が募るようになり、面倒くさくなるのだ。
反応を無視はできないなと思う時点で、クライアントワークのようにも思える。
もっとフラットに、無頼に、ぶっきらぼうに、創作したいのだ。
最後に、動きが足りないから飽きたというのも考えられる。
同じプラットフォームに投稿し続ける、同じ環境で投稿し続けることへ飽きている。
元々私は飽きっぽくて、高校1年生の頃はあと2年、大学1年生の頃はあと3年同じ場所にいなければいけないのかーとうんざりしていた。
変化が好きだけれど、足場が整ってから、時と流れを見て移動するタイプなので、結果鈍足だ。
同じ投稿サイトに投稿し続けることで、コンテンツや信頼は溜まるけれど、飽きてくる。
さらにプラットフォーム内での循環しかできないならば、新規流入はしにくい。
新風を吹かせるならば、やっぱりレバレッジを効かせなければいけない。
プラットフォーム・場所を変えるか自分の環境を変えるか、作るものを変えるか。
何かしなければ、と曖昧に思いながら書き散らしたら少しだけ報告は見えた気もしている。